ケノティズム

妄想メインです

上京するか,離京するか

ビッグドリームを求めて,自ら重力に飛び込みたいことがある.またはそこから逃れて,平穏を求めたいことがある.どちらがより賢い選択なのだろう.そう考えると気になってくることがある.(ブログ主が生半可な知識で想像する)ブラックホールのことだ.

ブラックホールの不思議

都心に比べて,ブラックホールはおかしな点がいくつもある.都心や太陽は皆の憧れを惹きつける分,熱気があり仕事をこなし,その結果を多少暴力的に周囲に分け与える.熱のおかげで田舎では難しい仕事(核融合)がこなせるが,摩擦が激しく日々戦いがある.

ところがブラックホールはというと,隠しきれない憧れの重力を持っていながら,その中心からはほとんど熱を感じない.仕事をしていないのではなかろうか.しかし昔はそうではなかったとも聞く.仕事がなくなってしまったんだろうか.他のブラックホールと合併したら新しい仕事が見つかるんだろうか.あんなにも競争に身を置き集中していた連中が,死んでもいないのに,どんなに世界の中心にいても怠けっぱなしなんてことがあるだろうか?もしそんなことがあるなら,ある時点以上に上京するのはやめたほうがいいのではないか.少なくとも良い仕事を求めてブラックホールに落ちるのはダメということになる.

重力の不思議

ブラックホールの(外から見える)怠け癖は,宇宙空間より都心である地表でも始まっているようだ.重力の底にいるほど,そこで一般的には激しくなる熱運動と裏腹に,時間の進み方が遅くなるらしい.また空間も歪んで,横との距離感は縮むが,縦との距離感は大きくなるらしい.

この欲求はなんだろう.心の底で都心を求めるものとは違う欲求があったのではないか.激しい競争の中,したくもない仕事をして互いに否定し合うのが辛かったのではないか.そしてブラックホールはついにその欲求も実現したのではないか.

ホーキング放射(ってなんだろう)

前回ブラックホールは怠惰な金持ちという設定にしたが,今回の妄想では,隔世的な金持ち研究者という設定になった.ブラックホールがしていると言われている数少ない仕事のホーキング放射は,「存在する」という原罪を贖罪する本質的な仕事なのかもしれない.競争の果てに,彼らはついに自らの本質的な問題にアプローチする手段を得たが,それは孤独な仕事であった.仕事に専念するため時空を歪め,爆発的な仕事を終えたが,これが世に公開されるまで相当な時間がかかるだろう.なぜなら彼らの周りもまた時空を歪めたからだ.ここから妄想するに,ブラックホールは協調せずに凍結された,独自研究の大爆発なのかもしれない.

ブラックホールまで一般化した上京判断の基準はこうなった.「信じられる知識の形と適用範囲から,最も賢くあるために目指すべき場所が決まる.」ブラックホールの賢さは,そこで行われる仕事が示している.ホーキング放射と強い重力はエントロピー増大に向けた本質的で支配的な仕事なのかもしれないが,我々には低俗で隔世的に見える.成り上がる前に,その京の熱さと外から見た狭さに,自分の信じられる賢さが残っているか/残せるのか考えたい.あるいは田舎で自分たちの知識が凍えてしまうのか,知識が固まって増えていくのか,考えたい.

やはりブラックホールには落ちないでおこうと思う.